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 各施設のおたよりから

幼児三宿 2017年6月

わんぱくの保育・活動の様子をお伝えするコーナーです。

          《 やりたい! 》

★幼児グループ
☆鬼がいる!?~季節外れの鬼退治~☆

 ある日の部屋遊び。リョウマくんとボウリングをしようとお手玉を出したところ、ミヅキくんがそれを見て、「鬼は外~福は内~」とお手玉を投げ始めました。それを見たリョウマくんはケラケラと声を出して笑い、「えい!」と言って参戦します。時々2人で顔を見合わせながらとても楽しそうな雰囲気です。ですが、次第にミヅキくんの表情が曇ってきて、廊下の方を指さして「おに、いる。怖い…」と怖がり始めました。その様子を見たリョウマくんもその雰囲気を察してこわばった表情で廊下の方を指さし、辺りをキョロキョロ見回して見えない鬼の存在にビクビクし始めました。誰かスタッフがドアを叩いて「鬼だぞ~」と鬼の声を真似したりしたわけではないのですが、リョウマくんとミヅキくんの思いや表情は臨場感溢れるものでした。

 ふとしたきっかけで始まったこの遊び。状況はごっこ遊び(うそっこ)ですが、“ごっこ”の中の思いは2人とも本物だったように思います。怖さや不安な思いと共に、鬼をやっつけたい思いなどいろいろな気持ちが混ざり合い“どうしよう”と心が揺れ動いているのが見て取れました。2人の姿を見て、子どもたちは遊びの中でいろいろなことを感じ、考え、想像力を膨らませているのだなと思いました。そんな子どもたちの感性が豊かに育つよういろいろな遊びを一緒に経験していきたいと思います。



★わんぱくクラブ三宿
☆ユウトくんとアンパンマン☆

 わんぱくクラブ三宿には、毎日の活動の最後に「今月の歌」という時間があります。みんなで一緒に歌ったり踊ったり・・・「今日も一日楽しかった!」という気持ちを共有できる、みんな大好きな活動の一つです。4月の歌は「アンパンマンたいそう」でした。この曲が大好きなユウトくん、帰りの会が終わってスタッフがCDをかけにラジカセの所に向かうと、ユウトくんも近くに来てキラキラした眼差しで見つめていました。曲が始まると、嬉しくてたまらない!!という表情です。曲の途中に何回かある「アンパーンマーン!」と呼ぶ動作(口元に両手をあてる)も4月の後半になるにつれてどんどん上手になっていました。

 しかし、『4月の歌』というからには4月の終わりとともにアンパンマンともお別れをしなくてはなりません…。5月1日、「アンパンマンたいそう」から「八百屋のお店」に曲が替わりました。八百屋のお店も楽しい曲なので、ユウトくんも楽しそうにしていましたが、いざ曲が終わり「帰りの支度をするよ~」と声掛けをされるとユウトくんはショックを受けてしまい、CDケースの元へ行き一生懸命アンパンマンたいそうを探していました…。(翌日からは八百屋のお店だけでも悲しむことは無く、ユウトくんの対応力に驚きました。)

 5月も2週目に入ったある日、掃除と帰りの会の間の時間(集団遊びを行うことが多い時間です)にユウトくんがスタッフの近くに来て、両手を口元にあてて「アンパーンマーン」と言っていました。これは!と思い、一緒にCDケースからアンパンマンたいそうのCDを探してラジカセにセットしました。ユウトくんは、キラキラと目を輝かせていました。曲が始まるとユウトくんだけではなくみんなも集まり、汗をかくくらい全力で歌って踊りました。曲が終わる際にユウトくんが言う「イエーイ!」も、一段と楽しそうな声でした。

 5月の後半になると、ユウトくんは遊びの時間にスタッフをラジカセの所へ連れて行き、「やって」と伝えてくれるようになりました。6月の現在は、嬉しそうな表情でラジカセにCDをセットして自分の力でアンパンマンたいそうをかけて踊っています。CD以外にも、スタッフにやりたい遊びを伝えることが増えてきました。

 今月の歌の楽しさがきっかけで伸びていったユウトくんの「伝える力」。次はどんなことを私達に伝えてくれるのか、楽しみです!