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 各施設のおたよりから

駒沢三茶 2017年5月

わんぱくの保育・活動の様子をお伝えするコーナーです。

      《 表現って楽しいね! 》

★わんぱくクラブ駒沢
☆表現したい気持ち☆

 現在小学5年生のリンドウくんは、お絵描きが好きです。わんぱくに通い始めた頃は、複雑な線の絡まりだったものが、初めの2年の間に具体的な興味を持つ事物へと形を変えていきました。わんぱくで経験したおばけ遊びのおばけや、外出先で買ったアイスなど、心に残っているものが表現されていました。

 当時に比べると、この3年間でリンドウくんが日記や自由遊び中のお絵描きで表現する内容は、大きくは変わっていません。おばけは勿論、「イチゴチョコアイス」「サインポール(床屋の外で回っているもの)」「PASMOロボット」など、その時期に興味を強く抱いているものを繰り返し描きます。

 しかし、それらを構成する1本1本の線ははっきりと濃くなり、余分な線は減り、絵としての出来上がり方が変わっています。描きたい気持ちと描きたい対象(イメージ)が、思うままに表現できるようになってきたように思います。これは、ただ単に画力が上がったと捉えるのは少し惜しい気がします。それよりもっと、彼の内面世界の育ちに通じるものがあるのではないかと思いました。

 リンドウくんは、以前は人の注意を引きたいがために、わざと物を投げてみたり、人に当たったりするなどしがちでしたが、最近は「(マットで)挟んでください。」「○○さん、こっち行く(→僕とこっちに来て)。」と、スタッフにきちんと思いを伝えられるようになってきています。伝えたい思いが生まれ、伝えたい相手ができ、伝える手段を獲得してきたリンドウくん。それは一種の表現力です。彼がお絵描きをする時は、必ずスタッフを誘います。スタッフが描いた絵を大事そうにわんぱくに保管しておくこともありましたが、今では自分で描いた絵を縁で切り取って、家に持って帰ることもあります。可愛らしい変化です。イメージ通りに絵を描けたことに、喜びを感じているのではないかと思います。

 キャラクターの表情の変化も注目すべき点です。以前は、ロボットが痛そうな表情を浮かべている絵ばかりだったものが、少し笑みを浮かべて上方を見上げる絵を描くようにもなりました。人との関わりの中で、相手がどう感じているか、どう思っているか想像する力が、少しずつ育ってきているのではと思います。

 また、低学年の頃は、決まったスタッフとの、クローズな関係性の中でしか遊びが成立しにくかったリンドウくんでしたが、最近は、様々な人と遊ぶ機会を持てるようになっています。泥遊びや水遊び、追いかけっこ、お絵描きなど、バラエティーに富んだ遊びに没頭するリンドウくん。遊びの中で、人と関わることを楽しみ、彼の世界が広がってきたことの表れかもしれません。

 様々なスタッフと遊ぶ機会が増えただけでなく、遊びの中に他の子どもが入る余地も生まれています。先日、おばけ遊びでおばけ役のアワタさんを更衣室のカーテンの裏に閉じ込めました。その後、近くを通りかかったアツヒトくんの手を引き、背中を押して、カーテンの裏に入れることがありました。遊びのイメージを強く持っている分、他の子が介入するのを嫌っていたリンドウくんでしたが、自ら遊びの選択肢を広げた姿は印象的でした。大人だけでなく子どもに対しても、関わりが広がる可能性を垣間見た気がします。
 今後またリンドウくんがどう成長していくのか、楽しみです。


★わんぱくクラブ三茶
☆「ウィンドーチャイムで音楽遊び」☆

~新しい楽器がやって来た~

 今年度に入ってからわんぱくクラブ三軒茶屋に新しい楽器が三つ来ました。そのうちの一つがウィンドーチャイムです。ウィンドーチャイムは打楽器の一つで、オーケストラの演奏でもよく見かけます。棒や手を使って端から端まで滑らせるとキラキラとした綺麗な音が出るのが特徴です。わんぱくクラブ三軒茶屋にはピアノや鍵盤ハーモニカ、トライアングルなどの楽器はありますが、普段触る機会が少ない楽器が届いたことはとても嬉しいことでした。早速、子どもたちと一緒にこの楽器を使って音楽遊びをしました。

~音楽遊びで大切にしていること~

 音楽遊びを行う時には、楽器の持つイメージや雰囲気を子どもたちに伝えることも大切にし ています。その為に、子どもたちが演奏する前にスタッフがお手本を見せました。スタッフは星のお面と黄色のマントをつけ、お星さまの役として登場します。夜空からやって来たお星さまがキラキラとした音が鳴る楽器を持って来てくれた、という設定でみんなに楽器を紹介しました。きらきら星の曲をピアノで弾き、それに合わせて楽器を鳴らすとまるでそこに夜空が広がっているようでした。

~みんなもお星さまになりきって~

 スタッフがお手本を見せた後、子どもたちもお星さまになりきって演奏しました。「やりたい人はいますか」の問いかけに、最初は恥ずかしそうにしていたハヤくん。名前を呼ばれると照れながら出てきました。ハヤくんは楽器を前に、少し屈んだ姿勢になって慎重に棒を滑らせていました。次に出てきたのはユウくん。「どうやって鳴らすのだろう?」といった表情で出てきたユウくんは音を鳴らすだけでなく、ミュート(音止め)までしていました。鳴るか鳴らないかくらいの小さな音色を響かせてくれたのはシュンくんです。ピアノの伴奏に合わせるととても綺麗でした。次に出てきたレエくんは、思いっきり棒を滑らせてダイナミックに音を鳴らしていました。
 みんな思い思いに楽器を演奏し、ひとつの楽器からいろんな音色が響きました。

~生の楽器に触れること~

 生の楽器はやはり響きが違います。そして、見た目は小さい楽器ですが強く鳴らすととても大きな音が出ます。音の大きさにびっくりして耳に手を当てる子もいました。そのようなことも、映像や写真ではなく実際に聞いて初めて分かることだと思います。生の楽器に触れたり、生演奏を聴くことは改めて良いなあと感じた1日でした。これからもみんなで音楽遊びをやっていきたいです。