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 各施設のおたよりから

三宿三茶駒沢 2017年3月

わんぱくの保育・活動の様子をお伝えするコーナーです。

      《 1年間の成長を実感する3月です! 》

★わんぱくクラブ三宿
☆みんなで作るひなまつり☆

 3月3日は雛祭りでした。雛祭りは、節分やバレンタインなど他のイベントに比べると表現が難しい行事です。色々と考えたのですが、三宿の女の子3人に雛壇をイメージしたマットに座って貰い、みんなで「うれしいひなまつり」を歌うことにしました。

 マットをセットして、女の子が主役ということで声をかけるとサエちゃん・リナちゃん・チエちゃんは嬉しそうに出てきて座ってくれました。それを少し羨ましそうに見るアツシくん。みんなで歌おうとした時、サエちゃんが「アツシくんもおいでよ!」と誘っていました。理由を聞いてみると「お雛様の隣には男の子がいるから」と教えてくれました。なるほど~!

 アツシくんはとても嬉しそうにサエちゃんの隣に来て座り、顔を見合わせていました。せっかくなのでリナちゃん・チエちゃんにもお内裏様を指名してもらい、3組のお内裏様とお雛様が並ぶことになりました。女の子が男の子をニコニコと呼びに行く様子は、とても可愛らしかったです!みんなで歌っている時の雰囲気もとても和やかで、歌が終わると誰からともなく拍手が起きていました。歌の後にサエちゃんが折り紙でお雛様の扇子とお内裏様の笏(しゃく)を作っていて、それを見て、またしてもなるほど~!と感心しました。

 三宿の初めての雛祭りは、女の子たちの「こうしたい」という気持ちのおかげでとても楽しい行事になりました。後日聞いたお話しですが、アツシくんがお家でお内裏様を指して「これ、ぼくなんだよ」とお母さんに話してくれていたそうです!
 来年はみんなで扇子と笏を作りたいと思います。


★わんぱくクラブ三茶
☆おやつ作り☆

 班活動を行った時の事です。普段の活動の流れは、おやつ・日記・掃除を行いますが、この日の班活動は日記・掃除をはぶいて、久しぶりに自分たちでおやつを作る活動をメインに行いました。 おやつメニューはりくくんが選んだ「卵焼き」です。班ごとにガスコンロ・フライパン・油・フライがえしを用意しました。

 班長中心に、活動をすすめていく中で四班が各々作り始めました。卵焼きメニューを選んだりくくんは、自分が選んだメニューということもあり目を輝かせ、卵を割ることから張り切っていました。  じゅんくんは一緒の班のメンバーの仕草や行動を良く見ていて、かーちゃんが卵を割り、勢いよく混ぜて勢いよくフライパンに流し入れると、「大胆師匠!」とニックネームをつけながらその勢いのすごさに関心していました。

 じんくんは、とても作ることに慎重で一つずつの作業に幾度となく集中していました。卵をフォークでゆっくりつつき黄身を割り、いざ混ぜ始めると、白身が無くなる程混ぜ続けていました。 やはり自分たちで作ったものは出来立てで「美味しい!」という声と、卵焼きの香りが部屋中に漂っていました。

 「自分たちが口にするものを自分たちで作って食べる」という活動を久しぶりに行い、メンバーの表情が輝いていたことが印象的でした。 今後も自分たちで考え、自分たちで活動を作っていきたいと感じさせられた活動になりました。


★わんぱくクラブ駒沢
☆1年を振り返って☆

 2016年度駒沢の集団での日々も、はやいもので後1週間程になりました。来月には2017年度の新メンバーを加えての活動になります。

 去年の4月を思い返してみると、子どもの成長を強く感じます。最初の頃に慣れない場所と男性スタッフへの苦手意識から来所の度に泣いていたノノカさんは、今ではバレンタインのチョコレートを直接男性スタッフに手渡したり、やりたい遊びに誘ってくれるようになりました。駒沢に入った当初はスタッフに言われた事をしっかり守ろうと行動していたアツヒト君は、片付けの時間になっても遊びを終わらせたくない気持ちをスタッフに伝えようとしたり、来所時の支度より友達との遊びを優先して遊びの輪に入っていくなど、自分の気持ちを表現しようと、“いい意味”でのやんちゃさを発揮するようになってきました。

  小学1年生から高校3年生までが共に過ごす(今年度の最年長は高校2年生でしたが)わんぱくクラブは、子ども達にとって様々な経験を積める場所です。年上のお兄さんお姉さんの様子を見て憧れたり、怖いと感じたりしながら、年下の子の世話を焼く等、異年齢集団での関わり合いは同年代の友達と過ごす事だけでは得られない様々な気持ちを育んでくれます。

 例えば今年度2年生になったタモン君は、4月からしばらくの間、色々な人から話しかけられる新メンバーに対してジェラシーを感じていたようです。外を歩く時には手を繋ぐ事を強く拒んだり、新メンバーとスタッフが遊んでいると、気を引こうとスタッフを引っ張り、遊具や本を窓から庭に落としたりしていました。スタッフは、その気持ちを受け止めつつも、「そんなんじゃ年下の子に笑われちゃうよ?」とか、「しっかりしないと!」と声掛けをする事もありました。

 ですが、半年ほど経ったある日、何人かの1年生とタモン君が一緒におやつの買い物に行く機会がありました。その帰り道、買ったおやつを入れた袋が重く、スタッフに頼ろうとして歩みが遅くなりがちだった1年生に対して、タモン君は袋を手放す事なく、先頭を歩いてわんぱくまで帰ってこられたのです。着いた後、その場に居たアツヒト君に、「タモン君は荷物を離さずに帰って来られてすごいね!」と声を掛けると大きく頷き、タモン君には、「今日はがんばったね、お兄さんすごいね!」と伝えると、嬉しそうな顔をして返事をしていました。その姿はどこか誇らしげに見えました。

 心の成長というのはなかなか目に見えず、分かりづらいものです。表面上だけで捉えようとすると、最近わがままになってきた、乱暴になってきた等、マイナスに受け取ってしまいがちです。でも、それは見る目を変えれば、自分の気持ちをより強く訴えようとする心の成長でもあると思います。私達はそれを受け止めた上で、こちらの気持ちを如何にして伝えるかを考えなければならないと感じています。来年度からまた新しいメンバーが加わり、新たな集団でどんな成長が見られるのかが楽しみです。