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 各施設のおたよりから

駒沢 幼児ひかり 2017年2月

わんぱくの保育・活動の様子をお伝えするコーナーです。

      《 集団だから、できること 》

★わんぱくクラブ駒沢
☆集団遊びの雰囲気☆

 自由遊びの後の時間に、「集団遊び」という活動をすることがあります。文字通り、皆でなにか1つの遊びに取り組む時間です。例えば、ダンスや縄跳び、イス取りゲームなどです。集団遊びで大事にしているのは、楽しい時間を共有することで生まれる集団の一体感や、ありのまま参加できる開放感、その中で培われる個々の成長などがあります。活動の内容によって、ねらいも多岐に渡ります。

 1月の保育目標に、「伝承遊びをたくさんやろう」ということがあり、集団遊びとして様々な伝承遊びに取り組みました。「あぶくたった」「はないちもんめ」「かごめかごめ」などです。20代のスタッフの中には知らないという人も多かったので、まずはスタッフで練習してから子ども達と取り組みました。どれも隣の人と手を繋いで進行していくので、自然と一体感が醸し出されていきます。「伝承遊び」と呼ぶだけあり、文化として長く残されてきた理由が分かるような気がします。それをまた子ども達に伝えていくことも、この遊びをやる目的でもあります。

 「はないちもんめ」では、2列で向き合って歌いながら近づきます。カイドウくんは、マイペースに列から離れていくこともありましたが、呼ばれると戻って来て、楽しそうに手を繋いでいました。前後に一緒に動き、前に出た時はしっかりと片足を上げるなど、皆と一緒に参加していました。コウキくんは、列の端の方でありながらも大笑いし続けていました。遊びの中心にはいなくとも、皆の歌声や掛け声などを初め、楽しい雰囲気が伝染しているのだと、見ていて感じました。途中から列から外れたレイくんも同じです。舞台に座って盛り上がる皆の様子を見て楽しんでいるようでした。それぞれのスタイルで遊びに参加し、全体の雰囲気を感じながら、「なんとなく皆と一緒にいて居心地が良い」という時間になっているのだと思います。

 アケミさんなど、大声で唄って遊びをリードしている子もいれば、そのように過ごす周りの子もいます。遊び自体の楽しさを追求しながらも、どちらの存在も大事にしたいものです。


★幼児グループ
☆帰りの会☆

 帰りの会では、月替わりで振り付きの歌と手遊びをしています。その中で今回は手遊びの様子についてお伝えしたいと思います。

 帰りの会では、スタッフがみんなの前に出て手遊びをしたあと、子どもたちも1人ずつ前に出てやっています。1か月を通して毎日同じ手遊びをするので、月の中旬には覚えて、口ずさむ子どもも少なくありません。「前に出てやる人~?」の声掛けを合図に、前に置かれている1つの席をめぐって争奪戦も繰り広げられます。

 リョウマくんも前に出たくて、身を乗り出し大きい声を出して“ぼくも”と必死にアピールしています。 1番に出たかったのに、先に友だちに取られて悔しい思いを抱えて自分の席に戻っていくということもあります。 “誰が出るかな?“と様子をうかがって、前に出られそうなタイミングを図ってから行くのはガブリエルくんです。前に出ると、その子どもが「せーの」と言うのに続いてみんなの手遊びが始まります。その「せーの」という一言も、みんなに注目されると緊張してなかなか出てこないのはリュウセイくんです。みんなから見られて恥ずかしい、ドキドキする、そんな気持ちを経験することも良いことです。逆に、みんなに注目されることでやる気が増しているのはタイシくん、タクミくんです。自分の席でやるときよりも大きな声でうたって、みんなを引っ張ってくれます。みんなに注目されて「上手だね」など褒めてもらえることは自信にも繋がっているようです。

 普段の生活の中で、みんなに注目されるという機会というのは多くないと思います。だからこそ、帰りの会の手遊びでは、みんなの前に出る機会を作れたらと考えています。みんなの視線をあびるというのは、恥ずかしかったり、緊張したりもありますが、みんなから褒めてもらえる、認めてもらえる場でもあると思います。そんな経験を重ねることで、子どもたちの自信に繋がればと思っています。


★ひかり
☆心地よいコミュニケーション☆

 赤グループの夕食作りでの出来事です。
 ひかりの夕食作りでは、来所の支度を終えたメンバーから食材の下ごしらえを始めます。ユウタさんはリュックからエプロンを取り出し、下ごしらえをするテーブルに向かいます。エプロンを着けるのかと思ったのですが、なかなか着けようとしません。私(松香)が「エプロンを着けましょう。」と誘うものの、「着けない。」というやりとりが何度か続きました。

 しばらくすると、今年度から赤グループに加わったコウタさんが帰ってきました。ユウタさんと私のやりとりを耳にしたコウタさんが一言「(エプロンを着けないと)本もらいますよ。」(ユウタさんが手に持っているお気に入りの本のことです。)と伝えると、一度はしまおうとしていたエプロンを手に取り、着け始めました。二人の関係性を知らない人からは、一見脅かして?いるように見えるかもしれませんが、コウタさんは本を取る素振りがまったくなく、ユウタさんも本を取られることはないとわかっているようです。それでもユウタさんがエプロンを着けたのは、年下のメンバーから声をかけられたからかもしれませんが、何よりコウタさんとのやりとりが心地よかったのだと感じました。

 二人のやりとりから、私自身の働きかけについて反省をしました。「エプロンをつけてほしい」という思いが先行して、私自身の要求をユウタさんに押し付けていたように思います。ユウタさんもそれを感じていたのでしょう。 今回の出来事のようにメンバー同士のやりとりからスタッフが学ぶ場面がたくさんあります。これからもひかりのメンバーからたくさん学び、心地よいコミュニケーションを心掛けていきたいです。