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 各施設のおたよりから

駒沢 2016年5月

わんぱくの保育・活動の様子をお伝えするコーナーです。
《 悔しさも大切な経験です! 》

★わんぱくクラブ駒沢
☆イス取りゲームの悔しい気持ち☆

 集団遊びでイス取りゲームをした時のこと。最後まで残ったのは、イットくん・アツヒトくん・ヨシノの3人。曲が止まり、見事に椅子に座れたのはイットくんでした。イットくんは、「やったー!」と言って両手を挙げ、誇らしげな様子。その一方で、アツヒトくんはとても悔しかったようです。皆に「アッちゃんも頑張ったね。」「また今度だね。」と声を掛けられましたが、その後のおやつの時もご機嫌斜めでした。スタッフのナカムラさんがイットくんと話をしようものなら、ナカムラさんにパンチを繰り出して妨害していました。それほどまでに、勝ったイットくんの存在や、自分が負けた事実を「受け入れたくない!」と伝えているようでした。ナカムラさんは、アツヒトくんの気持ちを理解し、受け止めて接していました。

 そのような悔しい気持ちは、集団で競い合うからこそ生まれる大事な感情です。一人遊びでは、競うことはそもそもありません。歌遊びでは、皆で参加して楽しむことが主な目的です。競争性のある遊びでこそ、勝つぞ!と意気込んだのにも関わらず、常に思い通りにいくわけではないという経験が生まれます。イス取りゲームなど勝敗がはっきりしている遊びには、集団保育の魅力が詰まっています。

 また、わんぱくは異年齢集団であることを大事にしています。アツヒトくんにとっては、幼児グループで最年長だった立場から、学童に入って最年少という立場に変わりました。体格も動きも大きい子ども達の中で、「勝てない」「できなかった」という葛藤は今度も起きると思います。しかし、その葛藤が不満感だけで終わるのではなく、悔しいという気持ちをバネにして「次こそは・・・!」、という原動力に変わっていくと良いなと思います。そのような視点に立つと、アツヒトくんの気持ちをしっかりと受け止めるスタッフの関わり方は、非常に大切なことだと思います。優勝したり活躍した子を無条件に称賛するスタッフの存在も大事です。その一方で、負けて消化できないモヤモヤを受け止めるスタッフの存在も、同じくらいに必要不可欠です。

後日談ですが、再びイス取りゲームをしました。前回よりも人数の多い中、アツヒトくんは途中で敗退してしまいました。しかし、今回は「負けても楽しかった!」とでも言うように、大げさに頭を抱えてニヤッとする様子がありました。そんな可愛い様子を皆で見つめる雰囲気がとても良く、「その日来ている全員で同じ遊びをして、楽しむ」という、集団遊び自体の目的が確認されるような瞬間でした。

 アツヒトくんが活躍できる場面は、今後つくりたいと思います!