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     親離れ・子離れ(ミセス・ブー)


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 親離れ・子離れ (2011.06)
                                            ミセス・ブー    

 息子のシゲは25歳。重度の自閉症で言葉がありません。振り返ればあっという間。大変だったことは笑い話で話せるようになりましたが・・・

≪嬉泉との出会い≫
 歩き始めて呼んでも振り返らず、どんどん先に行ってしまう姿を見て「アレ〜??」 家の近くに自閉症療育で知られる社会福祉法人『嬉泉』があったので、2歳で門をくぐりました。入学まで4年、これで大丈夫!と思ったのですが、1年もしないで現実の厳しさを知りました。これからが戦争でした。多動、自傷、睡眠障害、所かまわず排泄、醤油やシャンプー類はあっという間に空っぽに・・・一時も目が放せず家の中でも追いかけ回していました。小田急線のロマンスカーを停めたこともありました。無我夢中!同じ『嬉泉』に通うお母さん方との会話が救いであり、先生方のアドバイスにすがる思いでした。5歳の時、初めて1人で靴を履いたのを見てうれしくて、うれしくて涙したのを覚えています。
 『めばえ』から『こぐま』へ卒業後は『おおらか学園』と、ず〜〜と『嬉泉』のお世話になっています。家でどんなに荒れた状態でも、『おおらか』に行けば、丁寧にかかわって良い方向へと指導してくださる。家庭で問題が起こった時も、親の相談に耳を傾けて解決策を見つけてくださる。『めばえ』時代の野生児だったシゲを知っている先生が何人もいるので、安心して子どもを預けています。

≪養護学校での成長≫
 入学式の翌日、3針縫う怪我をしたとの電話から学校生活がスタートしました。1年の終わりに「クラス4人が5分だけ同じ部屋にいられるようになりました〜!アッハハハハ・・・!」と担任よりお褒めの言葉をいただきました。そんなこんなで 手厚い指導の中、だんだんと周りに目が向き、言葉に耳を傾けるようになり、「ちょっと待って!」「これ持って!」とこちらの言うことも少しずつ受け入れることが出来るようになりました。
 中学からの成長は 家族にたくさんの喜びをくれました。
 高校では、親子で公共のバス通学をしたり、寄宿舎生活を経験したり、たくさんの友達から刺激を受けて、活発に動いて青春を楽しんだと思います。 学校生活は山あり、谷ありでしたが、だんだんと上り坂でした。

≪エライ!≫
 シゲには同居していた写真家のおじいちゃんがいました。2つ違いの姉と妹もいたのでどこへ行くのも一緒でした。喉頭がんの手術で声帯をとり声が出ない代わりに・・・と、毎日子ども達の写真を撮って自分で現像して整理していました。そしてシゲ用に大きなアルバム150冊宝物として残してくれました。(姉には180冊、妹は153冊・・・ちょっと自慢してしまいました!)今でもシゲだけがちょくちょくアルバムを開いては、食べ物など指差ししています。 中1の時亡くなりましたが、シゲは毎日ご飯をおじいちゃんの仏壇に供えています。そろそろご飯が炊き上がるころになると、さっと台所へ持って来ます。これは本当にエライなあ!と感心しています。おじいちゃんも喜んでいると思います。

≪わんぱくの仲間≫
 中3の時、『わんぱくクラブ』へ仲間入り。高校の時は毎日のように通いました。当時の三茶は狭い場所に30人近い子ども達が集まっていてにぎやかでした。親子だけで過ごしていた休日や夏休みが、友達と遊んだり、外出するようにかわりました。シゲもわがままの通らない友達同士の世界を経験することになりました。卒業後はひかりになり、曜日グループに別れ、週1回になりましたが、それがまた「仲間と集う」雰囲気でとてもいい!ひかりの活動を楽しみにしているのがわかります。困らせることばかりしているシゲですが、仲間にも指導員にも10年の月日のつながりがあります。仲間としての温かさを感じます。親としてこのつながりを大切にしてあげなくては!と思います。
 また、私自身係仕事を通してたくさんのお母様と知り合いになれ、泣いたり、笑ったり、楽しませてもらっているので、子ども同様このつながりも大切にしたいと思います。

  ≪今は≫
 反抗期のようです。以前は喜んでいた買い物もドライブも「イヤだ」と外出を拒否します。電話もダメ!エアコンもダメ!電子レンジもダメ!等こだわりが強くなり、仕事を持つ家族にとっては日常の生活がしにくくなりました。そんな時、『わんぱく』の生活支援や『おおらか』の ショートスティ等の援助を受けることが出来ました。困った時に頼れる所、子どもの障害の特徴を理解してくれる人がいるという事は、本当に心強いです。
 障害を持った子も普通の子と同じように反抗して、自立しようとするんだと(内容は伴わないけど)親離れ、子離れの時期を感じているこの頃です。

≪これから≫
 昔に比べたら、今は天国です。安心してご飯の支度が出来、座って食事が出来る。食後のテレビも見られるし、一緒に笑い合うこともある。もちろんいろいろ問題を起こして、落ち込むことも多々あるけれど・・・。これも今までシゲや私たち家族を支え、見守ってくれたたくさんの方々のおかげです。私もたくさんのお友達が出来ました。どんな小さなことにも喜びを感じ、感謝をする大切さをシゲから教えられました。
   今までの子ども中心に回っていた生活から、少しずつ自分の人生も考えて行きたいと思うようになりました。(年です!)そして何かお役に立てること、自分の出来ることを少しずつ、やっていけたらいいなあと思っています。
   現実は厳しいから ゆっくりね!    


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